いじめ防止等の基本方針

ここに定められているいじめ防止等の基本方針は、平成25年6月28日公布、平成25年9月28日施行された「いじめ防止対策推進法」(以下 法という)第13条を受け、本校におけるいじめ問題等に対する具体的な方針及び対策等を示すものである。また、国の「いじめ防止等のための基本的な方針」(平成25年10月11日文部科学大臣決定。以下「国の基本方針」という。)が平成29年度3月14日に改定され、「岐阜県におけるいじめ防止等のための基本的な方針」(平成26年3月策定。以下「県の基本方針」という。)が平成29年8月22日付けで改定されたのを受け、国の基本方針や県の基本方針を参酌し、本校の実情に応じた基本的な方針を策定・見直しや、いじめ防止対策推進法の規定を踏まえた組織の設置等、必要な措置を講じ、いじめ問題への取組の一層の強化を図るものとする。

1. いじめの問題に対する基本的な考え方

(1) 定義

法:第2条

  1. 「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
  2. この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。
  3. この法律において「児童等」とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。
  4. この法律において「保護者」とは、親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。

個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。
「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係にある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。
また、けんかやふざけ合いであっても見えないところで被害が発生している場合もあるため、背景にある事情の調査を行い、生徒の感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断するものとする。
なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
本校は、「いじめは、どの子にも起こり得る」という認識の下、危機感をもって未然防止に努め、早期対応並びに重大事態への対応を迅速に行う。

(2) 具体的ないじめの態様

(3) 学校姿勢(本校の課題)

2. いじめ未然防止のための取組

(1) 学校におけるいじめの防止等の対策のための組織

法:第22条

学校は、当該学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者、その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。 「いじめの防止」・「早期発見」・「いじめに対する措置」を効果的に行うため、本校は、複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する専門家、警察官経験者等の専門家、地域代表者、保護者会役員、学校関係者評価委員により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。

[組織の名称]

いじめ防止等対策委員会

[組織の構成員]

[組織の名称]

いじめ問題発生時・発見時の委員会

[組織の構成員]

[組織の名称]

重大事態と判断された場合の委員会

[組織の構成員]

[組織の運営]

(2) 学校及び各分掌の取組

[生徒指導部](生徒指導・教育相談)

[教務部]

[進路指導部]

[特別活動部]

[渉外部]

(3) いじめ防止プログラム(取組年間計画)年間計画

行 事取 組 内 容
4月 新入生説明会
前期入学式

前期始業式
職員研修

生徒との個人面談

情報モラルに関する指導
・学校いじめ基本方針の内容を入学生徒・保護者等に説明する。
・学校HPに掲載し、関係機関等に情報を開示する。
・いじめ防止に関する講話
・学校いじめ基本方針の内容を生徒に説明する。
・いじめ防止の年間の取組について検討
・学校の方針の具体的な対応の確認
・学校生活の状況、進路希望の確認とともに、いじめ問題のささいな兆候や懸念、生徒からの訴え等の教育相談を行う。
・スマホの使い方について説明する。
5月 学校関係者評価委員会

生徒との個人面談
第1回いじめ防止等対策委員会
保護会総会
・学校いじめ基本方針の内容を説明するとともに、学校評価で目標の達成状況の評価について評価委員から意見をもらう。


・学校いじめ基本方針の内容を保護者に説明する。
6月 第1回校内いじめ調査(全校)無記名式  
7月 三者懇談 ・家庭生活の状況確認
8月 職員研修 ・夏季休業明け生徒情報交流会
9月 前期卒業式
前期終業式

・いじめ問題等に関して、前期を振り返っての講話を行う。
10月 後期入学式
後期始業式
第2回校内いじめ調査(全校)記名式
学校祭
・学校いじめ基本方針の内容を入学生徒・保護者等に説明する。


・人権に関する展示や発表による教育
11月 生徒との個人面談 ・学校生活の状況、進路希望の確認とともに、いじめ問題のささいな兆候や懸念、生徒からの訴え等の教育相談を行う。
12月 生徒との個人面談  
1月    
2月 第3回校内いじめ調査(全校)無記名式
第2回いじめ防止等対策委員会
三者懇談

・外部講師によるいじめ防止に関する講演会
・家庭生活の状況確認
3月 後期卒業式
後期終業式
・いじめ問題等に関して、一年間を振り返っての講話を行う。

3. いじめ問題発生時の対応

(1) いじめ問題発生時・発見時の初期対応

法:第23条

  1. 学校の教職員、地方公共団体の職員その他の児童等からの相談に応じる者及び児童等の保護者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。
  2. 学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。
  3. 学校は、前項の規定による事実の確認によりいじめがあったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、及びその再発を防止するため、当該学校の複数の教職員によって、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を継続的に行うものとする。
  4. 学校は、前項の場合において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。
  5. 学校は、当該学校の教職員が第三項の規定による支援又は指導若しくは助言を行うに当たっては、いじめを受けた児童等の保護者といじめを行った児童等の保護者との間で争いが起きることのないよう、いじめの事案に係る情報をこれらの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。
  6. 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。

[組織対応]

(2) 「重大事態」と判断された時の対応

法:第28条

  1. 学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。
    一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
    二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。
  2. 学校の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。
  3. 第一項の規定により学校が調査を行う場合においては、当該学校の設置者は、同項の規定による調査及び前項の規定による情報の提供について必要な指導及び支援を行うものとする。

[対応順序]

[学校主体による調査組織の編成]

[調査における注意事項]

4. いじめの「解消の定義」

いじめ問題を安易に「解消」とすることなく、学校は、被害者に対して継続した見守りや支援を行う。
いじめは、単に謝罪をもって安易に解消とすることができない。いじめが「解消している」状態とは、少なくとも以下の2要件が満たされている必要である。ただし、これら要件が満たされている場合であっても、必要に応じ、他の事情も勘案して判断するものとする。

  1. いじめに係る行為が止んでいること
    被害者に対する心理的又は物理的な影響を与える行為(SNSも含む)が止んでいる状態が少なくとも3か月以上期間継続していること。ただし、被害の重大性からさらに長期間が必要であると判断した場合は、この目安にかかわらず、本校いじめ対策組織の判断により、より長期期間を設定し、被害・加害生徒の様子を含めた状況を注視する。
  2. 被害生徒及び保護者が心身の苦痛を感じていないこと
    いじめに係る行為が止んでいるかどうか判断する時点において、被害生徒がいじめの行為により心身の苦痛を感じないと認められること。被害生徒本人及びその保護者に対し、心身の苦痛を感じていないかを専門家である臨床心理士による面接等により確認し、適切な対応をする。

5. 情報等の取扱い

個人調査データについて

いじめ問題の被害者やその保護者に経緯や内容を知らせるための報告書は、生徒の在籍期間内は必ず保管するものとする。
いじめ問題が重大事態に発展した場合は、被害者やその保護者に経緯や内容を知らせるための報告書の作成が必要となったり、訴訟等に発展した場合には情報の提示を求められたりすることもあることを想定して、必ず5年間は保管するものとする。
また、重大事態(特に生徒の自殺等)の調査組織において、いじめ調査、迷惑調査のデータが裏付け資料として大変重要であることから、必ず保管するものとする。

6. 付記

本校生徒の約7割が中学校・高校での不登校経験者であるという実態を踏まえ、以下の点について特に留意した指導を行う。

  1. 人はそれぞれが違う人格や個性をもつ。異質なものを排除したいといういじめの本質に立つ時「違うことが大切であり、互いに受け入れなくてはならない」ことを、自身の体験を振り返らせながら、深く理解させることが重要である。
  2. 成育歴や家庭環境、本人の性格や能力等、いじめる側に立つ生徒には様々な背景があり、そうした心理的背景の理解と治療なしには根本的解決はできない。いじめの芽を、教育相談的な観点から早期に発見し「治療」にあたるという認識と体制を構築する。
  3. いじめは集団化を伴う。集団の意識を変容させ得るのは学級や全校での心に食い入る継続的な指導である。教師集団が常に危機意識をもち、意図的な指導を行っていく。

附則

この規定は、平成26年 4月 1日から施行する。
この規定は、平成27年 4月 1日から施行する。
この規定は、平成28年 4月 1日から施行する。
この規定は、平成29年11月1日から施行する。
この規定は、平成31年 4月 1日から施行する。
この規定は、令和 2 年 4月 1日から施行する。
この規定は、令和 3 年 4月 1日から施行する。
この規定は、令和 4 年 4月 1日から施行する。
この規定は、令和 5 年 4月 1日から施行する。